『ヒト』と『ミライ』が化ける、新しい技術開発センター、『InnoValley』とは?

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太陽インキ製造が、エレクトロニクス事業における需要と社員の増加を背景に、『ヒト』と『ミライ』が化ける、新しい技術開発センター『InnoValley』を開設しました。『InnoValley』は、半導体市場の回復に合わせエレクトロニクス事業を更なる成長軌道に乗せることや、人的資本経営を実現し企業価値を高めることを主な目的として建てられました。本記事では、『InnoValley』の詳細について迫ります。

『InnoValley』の由来、開設の目的について

施設の名称である『InnoValley』は、太陽ホールディングスグループ初の技術開発センターを記念すべく、施設を利用する社員から名称を募集し、応募総数 177 件の中から決定。『InnoValley』は、”革新の渓谷”を意味する造語で、この技術開発センターが創造と革新の源泉となり、新たなアイディアや製品が流れ出す場所であることを表現しています。“Inno”はInnovation<革新>の略、“Valley”<渓谷>は施設所在地と施設内特徴にも係る、嵐山渓谷を意味しています。

かつて「モノづくり大国」と言われていた日本は、今、製造業離れや人材不足で危機に瀕しています。日本のモノづくり産業が世界における競争力を高め復権するためには、「ヒトへの投資」強化が必要不可欠で、以前より働きやすい環境づくりや仕事のやりがい等をバランスよく整えることで「自律型人材の育成」に注力してきた背景があります。

本施設を開設することにより、顧客基盤の強化、ソルダーレジスト*の技術展開、継続的な新製品上市の迅速化、そして新規事業の創出のための“ヒトづくり”や“モノづくり”へ取り組むことが可能となります。

*ソルダーレジスト:様々な電子機器部品を搭載したPCBの表面を覆い、回路パターンを保護する絶縁膜となるインキのこと

『InnoValley』気になる特徴は?

開発部門を中心とした社員によるワークショップの意見が反映された施設内は、知的生産性の向上とコミュニケーションの活発化に向け、低層フロア(1階~3階)と高層フロア(4階~6階)で異なる環境を設けることで、 社員のポテンシャルを最大限に引き出します。

ラボエリアとなる低層フロアは、回遊式動線を採用し、各材料室や実験室の行き来をスムーズに行えるよう設計されています。新たな分散装置と試作塗工機を施設内に設置したことで、評価用のサンプル作製までにかかる時間を従来の約3分の1に短縮。また、各種最先端設備を導入したことで、ソルダーレジストや基板周辺材料の開発・製造・評価までを可能にしました。2階には展示スペースを設け、取引先のみなさんと新規ビジネスに向けたディスカッションができる場として、また社員にとっては、新たな事業創出を目指す中でインスピレーションを受ける場として活用される予定です。フレキシブルな事業展開を可能にするため、3階には未実装エリアを設け、拡張性と更新性を確保しています。

設計デザイン/DRAFT Inc.

オフィスエリアとなる高層フロアは、固定席の他、働き方の多様化が進む中で注目される次世代型オフィスデザインABW(Activity Based Working)エリアを2フロア分設けました。4面開口のオフィスエリアは、大きなガラス張りの窓から四季折々の豊かな自然が眺望できる、地域特性を最大限に活かした造りになっています。また、4階~6階は、嵐山渓谷を感じられるダイナミックな吹き抜けになっており、他フロアの様子が目に入るようデザインされ、人との繋がりを自然に感じることができます。6階のHall(大講堂)は、区切りのない広い空間とすることで、場面に合わせたレイアウトが可能。大人数での発表会やパネルディスカッション等、用途に合わせ、様々な目的で使用できます。

このほか、建物の省エネ効果を評価するZEB Ready の達成、 省エネルギーや環境負荷の少ない資機材の使用といった環境配慮はもとより、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建物の品質を総合的に評価するCASBEE、CASBEEウェルネスオフィスにおいて最高となるSランクを獲得しました。

 

設計担当者コメント

●大成建設株式会社 設計本部 建築設計第二部長 杉江大典 氏

「この地で働く方々が、武蔵嵐山の豊かな自然環境を享受し、チーム力と発想力が喚起されるような建物を創りたいと考えました。技術開発の拠点として、機能的で回遊性のある使いやすい実験環境を確保した上で、将来の更新にも対応できるフレキシビリティの高い建築計画とすることで、将来にわたり高度な開発をすることのできる施設になっています。設計を進めるにあたりましては、開発部門を中心とした方々とのワークショップを重ね、太陽インキ製造様らしさ・武蔵嵐山らしさの詰まったここにしかない拠点を作ることができました。この新拠点から世界に向けて画期的な技術開発を続ける太陽インキ製造様の発展を祈念しております。」

 

●DRAFT Inc. シニアディレクター 中村嶺介 氏コメント

「『嵐山から世界へ。世界から嵐山へ。太陽インキ製造らしい、世界にひとつの技術開発センター。』を掲げ、嵐山の恵まれた自然環境の中で太陽インキ製造様らしい働き方を最大限に活かせる空間や来訪者を驚かせる仕組みを盛り込んだ、新施設に最適なデザインを構築しました。その計画は周辺の環境を巧みに内部空間へと取り込み、外界のインスピレーションをも活かしたイノベーションを誘発する空間となっています。嵐山という場所と新たな働き方を実現する技術開発センター。この相乗効果により生み出された世界に通用するオンリーワンの施設の実現を目指しました。また、太陽ホールディングス様が従前より大切にしている『質の高いものに触れ感性を磨く』という点も重要視し、素材においても徹底的なこだわりを持って選び抜いた上質な空間となっています。」

 

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