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2025年5月21日と22日の2日間にわたり、京都・ロームシアターで「MUSIC AWARDS JAPAN(以下:MAJ)」が初めて開催されました。
このイベントは、音楽業界の垣根を超え、アーティスト・クリエイター・ファンが一体となることを目的とした日本発の総合音楽アワードとして誕生しました。主催には日本レコード協会や民間放送各局などが関わっており、エントリー総数はおよそ3,000作品、審査には約5,000人の音楽関係者が参加。選考基準にはストリーミング再生数、CD売上、SNSでのバズスコア、音楽評論家の評価などが組み込まれており、定量・定性の両面から“今、評価される音楽”が選出されました。
音楽シーンの象徴となっていた受賞者たち
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記念すべき第1回ベストソング賞には、Creepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」が選ばれました。この楽曲は、テレビアニメ『マッシュル-MASHLE-』のオープニングテーマとして人気を集め、TikTokでは100億回以上の関連動画が再生されるなど爆発的な広がりを見せています。Creepy Nutsの2人は、「この曲が“今の音楽”として認められたことが嬉しい。ここからがまたスタートだと思っています」とステージで語っており、その謙虚な姿勢に多くのファンが感動と称賛されていました。
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ベストアルバム賞には藤井風の『LOVE ALL SERVE ALL』が輝いていました。死生観と日常感を織り交ぜた歌詞、美しいピアノサウンド、優しさと強さを併せ持つメッセージ性が高く評価されました。授賞式での藤井風は、「音楽で生きていく覚悟を込めたアルバムだったので、評価してもらえて嬉しい。これからも心に寄り添う音を届けたい」と話していました。
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新人賞には、当時15歳のアーティスト・tuki.が受賞。彼女のデビュー曲「晩餐歌」は各音楽配信チャートで上位を独占しており、Z世代を中心に熱い支持を受けました。授賞式では、ピアノ弾き語りで「晩餐歌」を披露し、観客の涙を誘いました。
世界を視野に入れた賞カテゴリも
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MAJのもう一つの特徴として、グローバル部門の設置が挙げられました。
「ベストアジアソング賞」には、韓国の人気ガールズグループaespaの「Supernova」が選ばれており、デジタルと現実を融合させた表現力が評価されていました。また、「トップグローバルヒット賞」にはYOASOBIの「偶像」が選出されていました。この楽曲はSpotifyのグローバルチャートで日本語楽曲として初めて1位を獲得するなど、世界に日本音楽の可能性を示していました。YOASOBIは、受賞スピーチで「“物語を音楽にする”という私たちの挑戦が、世界でも届いたことが嬉しい」と喜びを語っていました。
ステージは圧巻のライブ演出
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今回の授賞式では、テレビ放送とYouTubeライブ配信が同時に行われており、会場に来られない人々もリアルタイムで受賞の瞬間やライブパフォーマンスを楽しむことができていました。藤井風の「青春病」では、客席中央の花道から登場し、歩きながら歌うという演出が行われていました。Creepy NutsはDJブースでその場の音をサンプリングし、ライブ感溢れるパフォーマンスを披露していました。YOASOBIは新曲「終点」と共にAR映像を駆使した未来的なステージを展開しており、視聴者のコメント欄には絶賛の声が相次いでいました。
会場全体が“音楽と文化の体験空間”に
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MAJの会場には、単なる授賞式だけでなく、音楽と文化を体感できるコンテンツが多数設けられていました。
会場ロビーでは、受賞アーティストが着用していた衣装やMVに登場するアイテムが展示されており、ファンは写真を撮りながら“推し”との距離を感じることができたそうです。また、アナログレコードを実際に再生できるコーナーや、音楽クリエイター向けのトークセッション、学生向けワークショップなども併設されており、老若男女問わず多くの人が参加していました。特に注目されていたのが「MAJ Youth Program」という若手育成プロジェクトで、高校生や音大生が制作した音楽映像作品が上映されていました。これらはコンテスト形式で評価され、次世代の才能が脚光を浴びる場ともなっていました。
新時代のアワードとして、確かな一歩を踏み出した
「売上だけでなく“想い”や“革新性”も評価したい」——主催者が語っていたその言葉どおり、MAJは商業的なランキングとは異なる、新たな音楽評価の場を築いていました。
初回にもかかわらず、配信視聴数は国内外で合計1,000万人を超え、SNSでは「#MAJ2025」が数日間トレンド入り。「紅白とは違う感動があった」「音楽賞にこんなに未来を感じたのは初めて」といったポジティブな感想が数多く寄せられていました。今後は、年1回の恒例イベントとして定着していくことが期待されており、「日本から世界へ発信する音楽文化」の柱として成長していくといいですね!