株式会社伊藤園(本社:東京都渋谷区)は、氷水出し緑茶と睡眠に関するメディアセミナーを、7月1日(月)港区のお〜いお茶ミュージアムで開催し、多くのメディア関係者が集まりました。
よりよい睡眠を確保するために
医療法人RESM理事長の白濱龍太郎氏がVTRで登場。日本人の睡眠の現状や、睡眠の質を高めるために必要なことをレクチャーされました。
不眠大国日本における睡眠の現状
厚生労働省は、2024年2月、「睡眠指針2014」を改訂。睡眠に関するガイドとして約10年ぶりに「健康づくりのための睡眠ガイド2023」を策定しました。これまでの取り組みの中で、睡眠による休養を十分とれていない人の割合が増加していたことを受け、2024年度に開始される「健康日本21(第三次)」では、睡眠時間に関する目標が追加されました。日本人の睡眠時間はOECD諸国の中で最低となっており、ほぼ全ての世代で睡眠による休養を十分に取れていない割合が増加傾向にあります。
厚生労働省:良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない 睡眠のこと
睡眠時間が短くなる季節、夏の到来
睡眠時間は季節によって変動し、夏は冬に比べて、10〜40分程度睡眠時間が短くなるというデータがあります。主な原因として、夏は、夜が明けるのが早いということに加え、高温・多湿な寝室環境により、寝つきや眠りの持続が他の季節よりも難しくなるからです。6月25日に気象庁が発表した、今年の7月から9月の3カ月予報では、全国的に猛暑が予想されており、2024年における夏の睡眠環境は、やはり厳しいものになると言えるでしょう。
厚生労働省:健康づくりのための睡眠ガイド2023
夏の快眠を実現するために
良質な睡眠を得るには、中途覚醒や早朝覚醒がない深いノンレム睡眠を保つがことが大切。そのためには、メラトニンの分泌を抑制するスマートフォンなどの操作や、夕方以降にカフェインをとることを避けるなどして、交感神経を刺激しないようにしましょう。就寝前は、ストレッチをしたり、音楽を聞いたりするなどのルーティンを作ることで、副交感神経が優位になりやすくなります。睡眠の質を高めるためには、リラックス作用のあるテアニンやGABAの摂取も効果的です。
中でも、テアニンは、緑茶特有のアミノ酸成分です。テアニンは、脳の興奮を抑え、神経を鎮静化する効果があるとし、近年、睡眠市場でもクローズアップされています。テアニンを摂取すると中途覚醒の改善が見られたり、摂取後30分以降からリラックス状態のときに発せられるアルファ波が強く検出されることが明らかになりました。
氷水出し緑茶で夏の睡眠不足を解消しよう!
お茶の専門家である大森正司氏が登壇し、氷水出し緑茶とテアニンの関係性を解説。その後、氷水出し緑茶のお茶入れを実演されました。
抽出温度が各成分に与える影響
プレスリリース:伊藤園お茶のいれ方PR事務局
お茶はお湯の温度で抽出成分の量が変わります。渋み成分のカテキンや苦み成分のカフェインは、高い温度でいれると抽出されやすく、低い温度でいれると抽出されにくいという特徴があります。一方、うま味成分のアミノ酸は低温でも抽出されやすく、低温のお水で抽出するとうま味を楽しめる緑茶になります。また、お茶に含まれるアミノ酸の半分以上は、リラックス作用のあるテアニンです。そのため、氷水出し緑茶は、美味しさだけでなく、テアニンの効果を得るためにも有効で、眠る前に飲むと睡眠の質を高める効果が期待できます。
夏におすすめの氷水出し緑茶のいれ方
【1人分】
茶葉:玉露や一番茶を多く含む上級煎茶など、うま味成分を豊富に含む茶葉がおすすめ。
1.急須に茶葉をティースプーン2杯分入れる。
*茶葉の目安量はお湯だしで使う量の2倍
2.水を約90ml注ぐ。
3.急須に氷を2~3個入れる。
4.約5分抽出。
5.茶碗に均等に少しずつ注ぎ分ける。
会場では、比較として、熱いお湯で入れた緑茶も用意され、セミナーに参加した方々からは、「味が全然違う」「氷水出し緑茶の方がさっぱりして飲みやすい」といった声がありました。
今年も、暑い夏が到来します。熱帯夜が続けば、日々のパフォーマンスも下がりかねません。そんな厳しい夏を乗り切るために、氷水出し緑茶で質の高い睡眠を手に入れてみてはいかがでしょうか。
◇登壇者プロフィール
白濱龍太郎:医療法人RESM理事長 順天堂大学非常勤講師、北里大学非常勤講師、早稲田大学統合研究機構睡眠研究所招聘研究員
筑波大学卒業、東京医科歯科大学大学院統合呼吸器学修了(医学博士)。同大学睡眠制御学快眠センター等での臨床経験を生かし、総合病院等で睡眠センターの設立、運営を行ってきた。それらの経験を生かし、睡眠、呼吸の悩みを総合的に診断、治療可能な医療機関をめざし、2013年に、RESM新横浜睡眠・呼吸メディカルケアクリニックを設立。
大森正司:大妻女子大学名誉教授
東京農業大学農芸化学科卒、同大学院博士課程修了、農学博士。大妻女子大学家政学部専任講師、助教授、教授を経て、定年後の2013年、名誉教授に。在任中、お茶を長期保存する方法の研究をきっかけに血圧を下げる「ギャバロン茶」を開発(‘86年)する。専門は食品科学、食品微生物学。そのほか、NPO法人日本茶普及協会理事長、日本食行動科学研究所所長、お茶料理研究会事務局長、大妻女子大学「お茶大学」学長、茶需要拡大技術確立推進協議会会長、日本茶業体制強化推進協議会会長も務め、「お茶博士」として、メディアにも多数出演し、お茶の健康効果などを伝えている。2021年瑞宝小綬章(教育研究功労)を受章。