パチンコ大手チェーンの『マルハン』の貼り紙がネットで話題となっているのをご存知でしょうか。
「救出の為、車の窓ガラスを割る場合があります」
なかなかショッキングなタイトルのこちらのポスター。
毎年夏になると起こる”子供の社内放置による事故”そんな悲しい出来事が起こらないように掲載されたのがこのポスターがネットで話題となっています。
「絶対にヤメて! 子供の車内放置」「クーラーが効いていない夏の車内は15分で50度に達します」と書かれているほか、「お子様の車内放置を発見した場合は 救出の為、車の窓ガラスを割る場合があります」と記載されていて、結構攻めた感じです。
ネットでは賛同の声が
このポスターがTwitterに投稿されるとなんと約1万件のリツイートがあり、多くの賛同の声が寄せられているようですね。
「全くもって同意します」
「窓は金で買える 車は金で直る だが死んだ赤ちゃんの命は金では取り戻せない」
「マルハンいいぞー!」
「マルハンの張り紙が波紋を呼んでいますね。ある意味成功だったのでしょうね!」
尊い命を守りたい!マルハンの想い
出典:photo-ac.com
実は、こちらのポスターは約1年前から使用されており、マルハンの全店舗で、駐車場や店舗出入り口などに同じポスターを掲示。
広報担当によると、ポスターの掲示は車内放置を撲滅するための取り組みの一部で、その他に従業員による駐車場巡回や、店内アナウンス、新聞の折り込みチラシでの注意喚起なども行っており、悲しい事故が1件でも起きないよう会社を上げて取り組んでいるそうです。
ちなみに、駐車場巡回は季節を問わず年間を通じて行っており、従業員用に独自のマニュアルもあるそうです。徹底してますね。
年間80件以上を未然に
出典:photo-ac.com
広報担当によると、全国にあるマルハンの店舗駐車場内で、車内放置を巡回中の従業員が発見し、事故を未然に防いだ案件は、昨年だけでも80件以上あったとか。
駐車場巡回による早期発見と店内アナウンスによる保護者の呼び出しで子供の救出が図れており、掲載してから、実は、一度もガラスを割る状況にはなっていないようです。
勝手に割る行為、法的には?
出典:photo-ac.com
Twitterで寄せられた意見の中には、「勝手に窓ガラスを割ったら法的に罰せられるのでは?」といったものもありました。
たしかに、人の所有物を破壊してしまったのですから、刑事上は器物損壊罪(刑法第261条)にあたる可能性があります。
しかし、免責される余地があるんです。
刑法では『緊急避難』にあたる行為、つまり『自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為』は、罰しないことを原則としています(刑法第37条第1項)。
今回のような場合も、『緊急避難』として罪にならないと考えられます。
ただし、車内の子供が比較的元気で、窓ガラスを割ることによって重篤な傷害を負わせてしまった場合、過剰避難となる可能性があります。
そのため、窓ガラスを割る際は、子供のいる場所からなるべく離れた場所のガラスを割る、破片が飛び散らないように工夫をするといったことが重要になります。
求められる親の意識
出典:photo-ac.com
そもそも、子供を社内に放置しなければ、こんな議論すら不要なのです。『よく寝てるから』『少しの時間だから』という意識を変えることが大切だと思います。
マルハンHP:https://www.maruhan.co.jp/